青春が長引いただけです。
6

唯野未歩子さんからコメント頂きました!

女優であり作家であり映画監督の唯野未歩子さんからコメント頂きました!

 

宮田さんは「せつなさ」を描く作家だと思う。
その「せつなさ」は、溺れる類の感情ではなく、自己憐憫とも違う。
主人公をみつめる眼差しが、大変に客観的で、なんだかとてもよいのです。
それは長回しと、カット数のすくなさ、ストイックな演出に、集約されている。
役者の自意識も同様に、ぐっとおさえこんでいる。

みるべきものが、はっきりしている、というかんじがする。

それで、いいのだと、わたしは思う。むしろ、そうあるべきだ、と。

だって映画なんだもの。

眼差しが確かであること、浮ついていないこと、腰をすえていることが、

そこにいる登場人物たちに、ある重たさーー体重のようなもの、

もしくは立体的であるということ、立体から生じる陰のようなものーーを与え、

「人間」を描きだすことに成功したのだと思う。

ああ、この女の子がそこにいるんだな、と、ある重たさをもって、

観る側にさしだされているようにかんじました。

 

         唯野未歩子(女優、作家、映画監督)